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こっそり、某所へ献上させていただいていたもの。
らしい話ですが、書き慣れてない感じが半端ないです;








屋上で空を見上げる背中。
日の出はまだ遠い。
さらさらと色素の薄い髪が冷たい風に流されていた。
小さく「さみー」と呟き、指先に息を吹きかける。
「健介さん、どうぞ」
「あん?」
ゆっくり近づいくとコートのポケットからカイロを取り出し差し出した。
僅かに低い目線が氷室と差し出されたカイロの間を往復する。
瞬きを一回。
猫に似た瞳が挑発するように笑みの形に歪んだ。
「それじゃ、足らねぇよ」
「……あまり、煽らないでください」
カイロをポケットに戻し、自分より華奢な体を抱きしめる。
ひんやりと冷たい体に、内心焦った。
一体いつからここにいたのだろう。
「みんなは?」
「結局、寝ましたよ」
初日の出を皆で見れなかったから今日は起きていて日の出を皆で見るぞ、と騒いだ張本人が

いつの間にか寝てしまっていたから。結果的にお開きになったのだけれど。
紫原を寝かしつけ、氷室はいつの間にか談話室から消えた背中を探していた。
「何、してたんですか」
「んー……オレ、初日の出見てねーんだよなー」
風に流される髪に頬を寄せる。
どこかズレた返事に「そうですか」と返して山の向こうを一緒に見つめた。
じわりじわりと空が色を変えていく。
「……タツヤ、あったけーな」
「健介さんが冷えてるんですよ」
抱きしめた体に染みる温度。
触れたところから溶けて混ざってしまえと思う。
残された時間は僅か過ぎて、思わず腕に力が入った。
「あー……バスケがしてぇなぁ」
「駄目ですよ、勉強しないと」
わかってるって、と苦笑した気配。
ゆっくりと預けられる体重に、このまま時が止まってしまえ、と。昇る太陽を睨んだ。
触れ合う箇所の温度が曖昧になって、本当に一つになっていまえればいいのに。
共有する温度が心地よくて、離れがたい。
「……健介さん」
「んだよ」
軽く振り返るこめかみに唇を押し当てて「好きです」と囁いた。



++++++
こっそりと、こっそりと。
氷室は劉以外を下の名前呼びだと禿げ萌える。
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プロフィール
HN:
しん
性別:
非公開
自己紹介:
今吉さん狂の文字書きレイヤー。喋る雑食。
年齢職業不詳な変な人。
好きなものは友人、ピアス、刺青、センチメンタルサーカスの団長さんにテディベア。
蝶、龍、蜘蛛(非生物)、植物、空、海、月。お茶、紅茶、珈琲、柑橘系果物(特にグレープフルーツ)
熱しやすく冷めやすい。迷惑体質。接触嫌悪症。
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