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大分間が空きましたが。
正邦の岩村さんと春日さん。
可愛い話を目指して、玉砕。








ふっと、春日の意識が戻る。
自分の部屋のものではない、でも知っている部屋の天井が見えた。
これは、岩村の部屋の天井。

「んぅ……?」

寝る前の記憶が曖昧で、散漫な思考で今の状況を把握しようと体を捩って。
動けなかった。
緩慢に瞬きを数回してどうにか首を動かす。

「っ……」

少し見上げたところに眠る岩村の顔があった。
何事か叫びそうになるのを何とか飲み込んで、ゆっくり深呼吸。
ドキドキと心臓がうるさい。
寝ている岩村に聞こえて島のではないかと、春日が恐る恐る視線を上げれば未だに眠る姿があって、安堵した。
力を抜いて少しだけ、体を寄せる。
あたたかい。
空気はひんやりと冷たいのに、寒いとは感じられなかった。
いつも朝は寒さで目が覚めるというのに。

「あったかいなぁ……」
「そりゃよかった」

ぽやん、と幸せな気分で呟いた言葉に返事があって固まった。
動きを止めた春日とは対照的に、岩村はごそごそと動いて互いの顔が見えるように調整する。
開いた隙間から冷気が入り込んできて、ふるっと春日は震えた。

「岩村、寒いよ」
「ん? あぁ、悪い」

距離を開けられた体が抱き寄せられて、再び腕の中。
ぺたり、と岩村の胸に頬をくっつけて春日はゆったり息を吐き出した。
あぁ、落ち着く。

「オレ、どうしたんだっけー?」
「ウチで勉強をしているうちに寝たんだ」

僅かに呆れの混じった声で言われて、そういえばもの凄く眠たかったなと思い出す。
寝てしまったのなら起こすなり、そのまま放置するなりすればいいのに。
一緒に寝ている辺り、岩村だなぁと春日は思う。
大きく息を吸って、くすくすと笑った。

「何だ」
「いやー、岩村だなぁって」

あったかいやー、と言いながら春日の瞼は重くなってくる。
憮然とした顔で春日の色素の薄い髪を梳きながら、岩村が「寒いの苦手だろ」だから一緒に寝たんだ、と零す。

「ふぇ……?」
「どうした」

微睡みかけていた耳にとんでもないセリフを聞いた気がして、思わず顔を上げた。
いつもと同じ、あまり愛想のない岩村の顔がある。

「……なーんでもないよー」

ジッっと無言見つめた後、へにゃりとどこか嬉しそうに笑った。

「?」

意味がわからない、と言いたげな岩村に「寒いの嫌いだからもうちょいこのままー」と宣言すると。あっと言う間に寝てしまった。

「まったく、しょうがないやつだな」

ボヤく岩村の顔をまんざらでもなさそうで。
さらりさらり、と感触のよい髪を飽きずに撫でていた。




そんな冬の日。





+++++
春日さんは体温低そうである。
岩村さんは冬場くっついてるとあったかそうー。

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自己紹介:
今吉さん狂の文字書きレイヤー。喋る雑食。
年齢職業不詳な変な人。
好きなものは友人、ピアス、刺青、センチメンタルサーカスの団長さんにテディベア。
蝶、龍、蜘蛛(非生物)、植物、空、海、月。お茶、紅茶、珈琲、柑橘系果物(特にグレープフルーツ)
熱しやすく冷めやすい。迷惑体質。接触嫌悪症。
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