忍者ブログ
期間限定?二次創作ブログサイト。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


vs桐皇戦の時に思ったこと。
ウチの黒子様は酷い人なのだと、この時に痛感した。←










あの人か。

控室に引き上げる直前、振り返った先で目があった。
コート越しでもわかった、強い、視線。
うっすらと開いた瞳をキツク睨み付けて何もなかったようにコートを後にした。

「黒子?」
「……何でもありません」

ギリ、と握りしめた拳が鳴った。
あの人だ、あの人に違いない。
牽制するような挑発するような眼差しが癇に障った。

「返して、もらいますよ」

彼は僕のだ。
絶対的な光の隣に立つのを許されたのは影たれる僕だけなのだ。
あんな人に盗られてたまるものか。
沸々と怒りににも似た感情が湧き上がるのを抑えこむために、一人外へと出た。





「体冷えるぞバカヤロー」
「……火神くん」

今、二番目くらいに見たくない顔だ。
頼ってくれる彼を利用しているのだから。
何でもないやりとりをしながら放られた上着を羽織った。

「なぁ……今何考えていたんだ?」

問いかけられた言葉に、一瞬思考が止まる。
そこで、ふと、問うてみたくなった。

「火神君は、バスケは好きですか?」
「……は?」

ぽかんとした顔に、ゆっくりと口を開く。
彼には聞いてもらおう。
その権利がある。

「別に難しいことを思っていたわけではありません。この試合、ボクはどうしても勝ちたい――」

ゆっくりと過去の記憶を呼び起こす。
幸せだった。
あの頃は、間違いなく。

「ただ、もう一度、青峰君が笑ってプレイする姿を見たい」

何も言わずに聞いていた火神の表情が、微かに歪んだ。

「もしこの試合に勝つことができたら、もしかしたら……」
「さぁな……知るかよそんなもん」

くるり、と背を向けられるのに少しだけ胸が痛んだ。

「人間そんな単純じゃねーだろーし、」

ゆっくりと歩きだしながら語られる言葉に耳を傾ける。
火神の背中は拒絶していない。
大きな背中を見つめた。

「ただ、負けたらそれこそ今までと何も変わらねぇ」

あぁ、そうだ。
その目だ。
君のその目は、どこかあの頃を思い出させる。

「オレ達にできんのは。勝つために全力でプレイすることだけだろ?」
「…………」

風が火神の上着の裾を大きくはためかせた。
ゆっくりと語った過去に、想いに、返された言葉に、心がゆっくりと平静を取り戻す。
僅か先を行く火神の隣に並んで、くいっュとジャージの袖を引いた。

「おい、」
「火神くん、勝ちましょう」

何か言いたそうな火神に薄らと笑う。
そうだ、勝って証明するのだ。
彼に、青峰大輝に相応しいのは自分だと。

「絶対に」

負けません、と呟く黒子の髪を火神がくしゃりと撫でた。



+++++
青峰が黒子じゃなくて今吉さんを見ているのが気に入らないよ、って話。


PR
この記事にコメントする
color
name
subject
mail
url
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
<<   これが日常    + HOME +    掴んだ指先   >>
Admin + Write
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
しん
性別:
非公開
自己紹介:
今吉さん狂の文字書きレイヤー。喋る雑食。
年齢職業不詳な変な人。
好きなものは友人、ピアス、刺青、センチメンタルサーカスの団長さんにテディベア。
蝶、龍、蜘蛛(非生物)、植物、空、海、月。お茶、紅茶、珈琲、柑橘系果物(特にグレープフルーツ)
熱しやすく冷めやすい。迷惑体質。接触嫌悪症。
バーコード
ブログ内検索
カウンター
photo by 7s
忍者ブログ [PR]