期間限定?二次創作ブログサイト。
vs桐皇戦の時に思ったこと。
ウチの黒子様は酷い人なのだと、この時に痛感した。←
あの人か。
控室に引き上げる直前、振り返った先で目があった。
コート越しでもわかった、強い、視線。
うっすらと開いた瞳をキツク睨み付けて何もなかったようにコートを後にした。
「黒子?」
「……何でもありません」
ギリ、と握りしめた拳が鳴った。
あの人だ、あの人に違いない。
牽制するような挑発するような眼差しが癇に障った。
「返して、もらいますよ」
彼は僕のだ。
絶対的な光の隣に立つのを許されたのは影たれる僕だけなのだ。
あんな人に盗られてたまるものか。
沸々と怒りににも似た感情が湧き上がるのを抑えこむために、一人外へと出た。
「体冷えるぞバカヤロー」
「……火神くん」
今、二番目くらいに見たくない顔だ。
頼ってくれる彼を利用しているのだから。
何でもないやりとりをしながら放られた上着を羽織った。
「なぁ……今何考えていたんだ?」
問いかけられた言葉に、一瞬思考が止まる。
そこで、ふと、問うてみたくなった。
「火神君は、バスケは好きですか?」
「……は?」
ぽかんとした顔に、ゆっくりと口を開く。
彼には聞いてもらおう。
その権利がある。
「別に難しいことを思っていたわけではありません。この試合、ボクはどうしても勝ちたい――」
ゆっくりと過去の記憶を呼び起こす。
幸せだった。
あの頃は、間違いなく。
「ただ、もう一度、青峰君が笑ってプレイする姿を見たい」
何も言わずに聞いていた火神の表情が、微かに歪んだ。
「もしこの試合に勝つことができたら、もしかしたら……」
「さぁな……知るかよそんなもん」
くるり、と背を向けられるのに少しだけ胸が痛んだ。
「人間そんな単純じゃねーだろーし、」
ゆっくりと歩きだしながら語られる言葉に耳を傾ける。
火神の背中は拒絶していない。
大きな背中を見つめた。
「ただ、負けたらそれこそ今までと何も変わらねぇ」
あぁ、そうだ。
その目だ。
君のその目は、どこかあの頃を思い出させる。
「オレ達にできんのは。勝つために全力でプレイすることだけだろ?」
「…………」
風が火神の上着の裾を大きくはためかせた。
ゆっくりと語った過去に、想いに、返された言葉に、心がゆっくりと平静を取り戻す。
僅か先を行く火神の隣に並んで、くいっュとジャージの袖を引いた。
「おい、」
「火神くん、勝ちましょう」
何か言いたそうな火神に薄らと笑う。
そうだ、勝って証明するのだ。
彼に、青峰大輝に相応しいのは自分だと。
「絶対に」
負けません、と呟く黒子の髪を火神がくしゃりと撫でた。
+++++
青峰が黒子じゃなくて今吉さんを見ているのが気に入らないよ、って話。
PR
この記事にコメントする
カレンダー
01 | 2025/02 | 03 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
カテゴリー
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
しん
性別:
非公開
自己紹介:
今吉さん狂の文字書きレイヤー。喋る雑食。
年齢職業不詳な変な人。
好きなものは友人、ピアス、刺青、センチメンタルサーカスの団長さんにテディベア。
蝶、龍、蜘蛛(非生物)、植物、空、海、月。お茶、紅茶、珈琲、柑橘系果物(特にグレープフルーツ)
熱しやすく冷めやすい。迷惑体質。接触嫌悪症。
年齢職業不詳な変な人。
好きなものは友人、ピアス、刺青、センチメンタルサーカスの団長さんにテディベア。
蝶、龍、蜘蛛(非生物)、植物、空、海、月。お茶、紅茶、珈琲、柑橘系果物(特にグレープフルーツ)
熱しやすく冷めやすい。迷惑体質。接触嫌悪症。
ブログ内検索
カウンター