そんな君が好き。

赤司と降旗くん！
友人に原稿頑張れと押し付けたもの。
その二。

燃えるような赤。
嘘のように軽い体。

「赤司くん」

小さく名前を呼んだ。
膝の上で眠る姿から返事はない。

「……」

そう、と不揃いに切られた髪を梳く。
見た目通りに柔らかい手触り。

「ぅん……」

もぞり、と身じろぎひとつ。
思わず固まったが目を覚ますことなく再び寝息が聞こえてきた。
それに安堵と落胆。

「ねぇ、起きてよ」

つんつん、と髪を引く。
折角二人でいるのにもったいない。

「赤司くん」

いつもみたいに笑って名前を呼んでよ、強引に連れまわしてよ。

「……好きだよ」

呟いて、あまりの恥ずかしさに一人で赤面する。
普段伝えられないから、口にしてみたのだけれど恥ずかしくて。
とてもじゃないが、起きている赤司には伝えられそうもなかった。

「当然じゃないか」

聞こえないと思って呟いた言葉に返事があって驚愕する。
指先でちょいちょい、と呼ばれた。

「……？」

大人しく呼ばれるまま体を倒せば、ちゅと。
伸びあがった赤司の唇が触れた。

「っ……赤司くんっ！？」
「ご褒美だよ」

もともと赤い顔がさらに真っ赤になる。
嫣然と笑う顔に、やはり敵わないと思った。



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