木日本サンプル

ギリギリにすみません！！
短編集です。
本文一部抜粋ー！
これ、オフラインの方が良いのかな？

ミーンミンミンと蝉がうるさい。アスファルトからゆらゆらと陽炎が立ち上っていた。

「あっちー……」
「夏だからな！」

　額から流れる汗を肩で拭う。隣で木吉が当たり前のことを宣言するのに、両手がふさがっているため蹴りを入れる。
　いたっ、と同じく大荷物の木吉が楽しそうに笑う。

「マジこの炎天下は勘弁……」
「リコも容赦ないからなぁ」

　苦笑とともに荷物をガサリ、揺らして空を見あげた。真っ青な空に大きな入道雲。綺麗な飛行機雲が一本。
　吹く風も熱を孕んで皮膚を焼いた。

「日射病、つか熱中症になりそうだな」
「お！」

　ぐったりと。真面目に倒れそうな日向に、何か発見したのか木吉が声を上げる。何があるのかと視線を向ければ、昔い懐かしい駄菓子屋と『氷』と書かれた暖簾。

「……寄り道、してくか」
「もちろんだ！」

　ぼそっ、と呟く日向に当然！と胸を張って木吉は嬉しそうにかけていく。

「子供かよ」

　苦い顔をする日向の足も、涼を求め、自然と早くなる。脇に大きな木が立っているため見事に木陰となっている店は直射日光の炎天下に比べればかなり涼しい。

「こんにちはー」



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