春がくる

短いのを一つ！
こう、切なくなる話が書きたいです。。。

ざぁ、と風が吹く。
風に巻き上げられた前髪が白い額を晒した。

「……青峰」
「あん？」

呼ばれる名前に伸ばしかけた手をとめる。
振り返らない顔。
真っ直ぐ前を向いたまま。

「自分は、真っ直ぐ進むんやで」
「今吉サン？」

あぁ何だろう。とても嫌な予感がする。

「ワシはもう、」

その先を聞きたくなかった。
ウソでもまた一緒にバスケをやろうと、一緒のコートに立とうと。
何故言ってくれない。

「聞きたくねぇ」
「っ……」

最後まで聞かず、華奢な体を、今度こそ抱きしめて。
不穏なことを言いだす唇を塞いだ。




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二つの歳の差って、ないようで大きい。