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花今本です。
どう見ても今花ですありがとうございました;








マフラーで隠れた今吉の口元が僅かに弧を描く。
「どしたん?」
 飄々とした様子で首を傾げれば、泣きそうに歪む花宮の顔。形の良い唇から白い呼吸が零れた。
「……オレは、アンタが」
 ビュウ、と吹いた風。薄く、今吉の目が開いた。手袋をしていない手が伸ばされて花宮の髪を梳く。
 氷のように冷たい指先にビクリ、肩が震えた。
「すまんの。それには応えてやれんわ」
 すぐに閉じられた双眸。口元に刷いた薄い笑み。
 大きく見開かれた花宮の瞳にもう一度「すまんのぉ」と呟いて、今吉の手は離れて行った。
「せ、んぱ……」
「知っとったよ。自分がワシの事、想ってくれとうのは」
 ゆっくり告げる言葉。花宮の目が揺れる。制服の裾を掴む、華奢な指を引きはがした。「どうして」
「かわえぇなぁて、思っとたん。バレバレなんに、ひた隠しにしてワシの後ついてくるのが」
 もう潮時や、と。開いた瞳の冷たい色。そこには何の感情も読み取れない。今吉の制服を掴んでいた花宮の指が引きはがされ、力なく落ちた。
 花宮と今吉の間は半歩分。それが、何よりも遠かった。
「あんなに真っ直ぐやったんに、ワシ好みにえぇ塩梅に歪んでなぁ……」
 再び伸ばされる指先。拒むこともできず、花宮は呆然とされるがままになっていた。
 冷たい頬よりもさらに冷たい指先。そういえばこの人は体温が低いんだったな、と麻痺し始めた思考回路がどうでもいい記憶を引き出していた。
「それは、間違いなんや」
 歪んだらいかんかったあのままでおればよかったんに、と残酷な言葉が紡がれる。従順な者はいらないのだと、今更告げられるのに何も言うことはできなかった。「だって、アンタ……」
「うん?」
 咽喉が引き攣って上手く声がでない。頬に触れたままの指先がいつまでも熱を移されずに冷たいまま。
 酷く綺麗に笑みを浮かべる顔が近い。
「アイしとるよ。自分とはきっと違う意味でやけど」



+++++
色々捏造ってみたよ。
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プロフィール
HN:
しん
性別:
非公開
自己紹介:
今吉さん狂の文字書きレイヤー。喋る雑食。
年齢職業不詳な変な人。
好きなものは友人、ピアス、刺青、センチメンタルサーカスの団長さんにテディベア。
蝶、龍、蜘蛛(非生物)、植物、空、海、月。お茶、紅茶、珈琲、柑橘系果物(特にグレープフルーツ)
熱しやすく冷めやすい。迷惑体質。接触嫌悪症。
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